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さらなる介護サービスの質の向上を目指して、介護・ケアの「事例研究発表会」を開催しました

2017.11.29

セミナー・講演情報

神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部の山本です。

公社の介護付有料老人ホーム「ヴィンテージ・ヴィラ」の管理運営を行う(一財)シニアライフ振興財団が、11月17日(金)に「第10回事例研究発表会」を開催しました。
今回はその模様をお届けいたします。

介護分野における事例研究発表会とは?

「ヴィンテージ・ヴィラ」ならびに移り住み提携施設「トレクォーレ横浜若葉台」にて生活援助や介護に携わるスタッフは、入居者様と日夜向き合い、様々な課題に対して創意工夫・議論・研究を重ねながら、各部署との連携と行動をもってその課題を克服しています。

この事例研究発表会は、スタッフと入居者様との日々の関わりから生まれる様々な事象や経験を『課題解決への経緯と成果』にまとめ、スタッフ自身が発表する場として平成20年より毎年開催しています。

第10回目となる今大会

今回は記念すべき10回目の開催ということで、元神奈川県立循環器呼吸器病センター所長である遠山愼一 医師の特別講演のほか、シニアライフ振興財団のスタッフで結成する「スマイルプロジェクト」の活動事例の紹介など、例年にも増して見ごたえある発表会となりました。

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「自立支援」から「認知症ケア」まで、7つの部署から様々な演題を披露

会場には一般のお客様、審査員、関係者合わせて114名という多数の来場がありました。
普段は、介護サービスの第一線で活躍するスタッフ達が、大勢の聴講者を前に緊張しながらも堂々と事例発表する姿が印象的でした。

内容はどれも介護現場で実践されてきた具体性あるもので、また、スタッフの努力に業務を超えた「入居者様への思いやり」を感じ取ることができ、介護サービスとは「気付き」「検討」「行動」の全てに「心」を伴うことが大切だとあらためて教えられました。

スタッフ間のスキルアップ事例や、「断捨離」を通した認知症症状軽減事例も

ここで、演題の内容を少し披露します。

入居者様の高齢化とともに参加者が減少傾向にあるレクリエーションを継続していくために、スタッフ間でアンケートなどを用いながらアイデアを出し合い、レクリエーションの内容やアピール方法を見直して再び参加者を増加させたという業務改善事例では、スタッフの入居者様に対する熱意を感じました。

また、物取られ妄想のある認知症の入居者様に対して、居室の整理整頓を通したスタッフとの交流によって症状の軽減が見られた事例では、綺麗になっていくお部屋の状態にシンクロして次第に穏やかになっていく入居者様の感情の変化が克明に表現されており、胸を打たれました。

どの発表からもスタッフの日々の努力や苦労、課題を克服したときの達成感と入居者様の笑顔が浮かんでくるようでした。

笑顔から生きる意欲を引き出し、生涯自立へとつなげる「スマイルプロジェクト」

7部署による演題発表の後、2015年の事例研究発表会にて最優秀賞を受賞した「美容プロジェクト」メンバーより現在の活動状況報告がありました。

「美容プロジェクト」は僅か数名のスタッフの発案によりスタートした取組みですが、現在では、"笑顔を創る"「スマイルプロジェクト」に改名して、シニアライフ振興財団が運営する複数の有料老人ホームや介護施設のスタッフで構成される横断的なプロジェクトに成長しています。
その活動内容は美容の枠を超えて様々な角度から介護予防へのアプローチを推進し、活動範囲はヴィンテージ・ヴィラだけでなく地域にも拡がりを見せています。 

※スマイルプロジェクトによるイベントのリポートはこちら

 
〈メンバーのコメント抜粋〉
このプロジェクトを進めて気付いたのは「美しくなると嬉しくなり笑顔を引き出す。笑顔は生きる意欲を引き出す」ということでした。

発足当初はヴィンテージ・ヴィラ横須賀の3名のスタッフでしたが、活動に共感するメンバーが次々と集まり、「美容以外でも笑顔を作りたい」と、現在では施設、職種、経験や知識、地域それらの垣根を超えて活動しています。

今後はスマイル事務局を立ち上げ、職員の「やりたい」という気持ちをサポートし育て、入居者様や地域の課題や要望を叶えていく。さらに、入居者様や地域住民もスマイルプロジェクトの一員となって自分たちの住む施設、地域のために一緒に笑顔をつくっていければと考えています。

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元神奈川県立循環器呼吸器病センター所長 遠山医師による特別講演

今回は第10回という節目にふさわしく、ゲストに循環器医療の権威である遠山愼一医師をお迎えしての特別講演も行われました。

遠山医師は、当公社が取り組む「健康寿命延伸プロジェクト」を医学的見地から監修いただいており、講演の中でも健康寿命の鍵は「食事」と「運動」であることを事例と映像でわかりやすくお話いただきました。

今年から健康寿命延伸プロジェクトの1つの取り組みとしてはじまった「個人健康カルテ」(入居者様お一人おひとりの食事内容、運動量、健康診断の結果などを複合したカルテ)の作成により、健康維持にどうつながるのか、どうすれば生涯自立でいられるのかの分析が期待できるとのことです。

医療的観点からも生涯自立へつながる方法が見つかれば心強いですね。

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7部署の中から最優秀賞を受賞したのは「ヴィンテージ・ヴィラ相模原」チーム

本発表会では毎回、外部および内部審査員による投票で最優秀賞と優秀賞が選ばれます。
記念すべき第10回目の最優秀賞は「ヴィンテージ・ヴィラ相模原」チーム。優秀賞は「ヴィンテージ・ヴィラ向ヶ丘遊園」チームでした。
その演題内容を以下に紹介します。


【最優秀賞】ヴィンテージ・ヴィラ相模原
テーマ:昔を思い出す事の大切さ ~回想法から始まったトータルケア~

発表内容:
『回想法』とは、思い出を語り合ったり、その時間を共有することで自身の歴史や人生を再確認するきっかけになり、存在意義や自尊心の保持につなげることができる心理療法。

入居者様との会話の中でその回想法を活用することとし、若いスタッフも含めて「昭和時代」を再勉強。
何気ない日常の会話の中に昔話を取り入れることで、コミュニティ機能の低下が課題となる"介護予備軍"の方のみならず"自立"の方とのコミュニケーションを高めることができ、その効果を実感した。

評価のポイント:
・回想法の効果である自分の存在価値を見いだすことは「自分らしさの保持」につながり、生涯自立へ導く素晴らしい効果・検証の発表であった。
・この取り組みを平成21年から8年以上にわたり継続していることを大いに評価する。
・家庭介護でも役立つ回想法講座を行うなど、活動範囲が地域交流にも発展している。

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【優秀賞】ヴィンテージ・ヴィラ向ヶ丘遊園
テーマ:「スキルアップ勉強会」~その知識がご入居者を笑顔にする!!~

発表内容:
ヴィンテージ・ヴィラ内の高齢化により病気や体調不良の相談が増加しており、介護スタッフに病気や医療の知識が求められるようになった背景から、日々の業務をおこないながらスキルアップする方法についてアンケートなどを通して検討・議論し、業務の合間に少しずつ自習できる工夫やスタッフ間でのミニセミナーを実施。
結果として、スキルのみならず自信の向上にも繋がった。

評価のポイント:
・介護と医療の連携は必要不可欠であり、医療連携の向上につなげた発表であった。
・"入居者様の「いつもと違う」を気付くことができる" "その人らしく生活するためにその人らしさを考え支える"という介護において重要な視点を捉えている。

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発表会を終えて

今回の発表会では、いずれの部署も日々の業務を通しての「気付き」や「課題」に対する積極的な取組み、また自己研磨する直向な努力を感じ取ることができ、審査委員から賞賛のコメントが多数寄せられました。

人材不足など介護業界を取り巻く環境は厳しさを増していますが、当公社ならびにシニアライフ振興財団はともに、介護サービスの質の向上を目指して日々切磋琢磨するスタッフが更に知識と技術を磨き、その能力を発揮できる機会を創造していきます。

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山本(高齢者事業部 運営課) 広報として7月に仲間入りしたばかりですが、新しい目線でさまざまな情報をみなさんにお伝えできればと思っています。 よろしくお願い致します!

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