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セミナー・講演情報

2019.03.20

「生涯自立のための"プロセス・イノベーション"~ 食事・運動・生きがいの改善による健康寿命延伸 ~」シンポジウムを開催しました

2月28日(木)にKosha33ホールにて開催した「生涯自立のための"プロセス・イノベーション"~ 食事・運動・生きがいの改善による健康寿命延伸 ~」の様子をお届けします。

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神奈川県住宅供給公社は、高齢社会の到来を見据えて、29年前の1990年に「元気なシニアのための住まい」をコンセプトに、「入居時自立」を条件としたケア付高齢者住宅ヴィンテージ・ヴィラを全国の公的住宅供給機関で初めて開設しました。

その後、ご入居者の高年齢化に伴い、年を重ねてからも元気に過ごせる「健康長寿」を実現するため、「生涯自立」を新たなコンセプトに掲げて、2017年4月に「健康寿命延伸プロジェクト」をスタートさせました。そして、元神奈川県立循環器呼吸器病センター長の遠山医師をリーダーに迎え、「食事」「運動」「生きがい」を3本柱として、医師・神奈川県立保健福祉大学・ミズノ株式会社と連携協力しながら、最新のエビデンスと蓄積してきたデータを駆使した前例のないアプローチにより、ご入居者の健康づくりに成果を挙げています。

今回はその成果を広く紹介するため、プロジェクトを推進する3名のキーパーソンによる講演会を行いました。



ここで少しだけ講演内容を紹介させていただきます。

・「不老長寿時代がやってきた!」~世界のエビデンスから~

医療法人社団凰和会理事長 高山 瑠衣

高山氏は医学博士であり、今回のシンポジウムを当公社とともに主催するシニアライフ振興財団の理事も務めています。シンポジウムでは世界中の調査研究事例をご披露いただきながら、夢の「不老長寿」を科学的に実践する方法についてお話いただきました。  

老化の進行要因と言われているフリーラジカル(活性酸素の一種)やホルモン減少を防ぐためには、禁煙やストレス緩和といった生活環境の改善に加え、和食や地中海料理を食生活に取り入れることが望ましい。  

また、ホルモンを活性化させるポイントとして、夜はテレビや部屋の明かりをつけっぱなしにせず、暗く静かな場所でしっかり睡眠すること、朝はしっかり陽を浴びるなど生活リズムを正常化することが重要とのこと。    



・「健康寿命を延ばす歩き方の黄金律」~長寿遺伝子を活性化する奇跡のウォーキング~

地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室長 青栁 幸利

青栁氏は、群馬県吾妻郡中之条町にて5,000人の住民を18年間にわたり調査研究し、歩き方の黄金律「1日8,000歩、うち早歩き20分」を導き出しました。  

こうした歩き方を「日常身体活動」と言い、高血圧や糖尿病などの予防(改善)に繋がるだけでなく、運動することで食事を美味しく感じたり、サプリメントの効果向上も期待できるとお話されました。  

※公社の介護付有料老人ホーム「ヴィンテージ・ヴィラ」でも、「1日8,000歩、うち早歩き20分」を実践するため、青栁氏とミズノ株式会社が開発した活動量計の導入を進めています。



・基調講演「血管の老化を防ぐには」

元神奈川県立循環器呼吸器病センター長 遠山 愼一

死亡リスクの高い心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす動脈硬化とは、老化に伴い血管の壁が厚くなったり硬くなったりする現象のこと。  

長年にわたり循環器医療分野で活躍されたきた医学博士である遠山氏は、「血管の老化である動脈硬化を防ぐことが健康寿命延伸の秘訣」と唱え、イワシやサバなど青魚の脂に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)と牛や豚など動物性の脂に含まれるアラキドン酸(AA)の摂取バランスが血管の若さを保つ重要な要素であるとし、「EPAの比率が高い人ほど心筋梗塞で死亡するリスクが低い」という国内外の事例をご紹介いただきました。



今回のシンポジウムでは、ヴィンテージ・ヴィラのご入居者の健康を支えてくださっている3名のキーパーソンから、健康寿命を延ばす食事や生活習慣について様々な視点からお話しいただきました。  

開催に向けては、新聞やホームページでの事前告知により非常に多くの方から反響をいただき、また、開催当日にはテレビ局や新聞社などのマスコミ関係者も多く訪れるなど、今回のシンポジウムのテーマである「生涯自立」や「健康寿命の延伸」に対する関心の高さを窺い知ることができました。

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編集後記

今回、講師のお話の中に「糖化度」という言葉が度々登場しました。

「糖化」とは、糖が体内の脂質やタンパク質と結合して「AGEs(最終糖化生成物)」という物質に変化し体内に蓄積してしまう状態をいい、肌・血管・骨・臓器を老化させ、様々な病気をもたらすと言われています。

シンポジウム会場には、この「AGEs」を測定する世界最新鋭の機械が設置されており、腕を乗せてわずか12秒程度で測定できるため、休憩中には関心をもった多くの方が測定されていました。

残念ながら「糖化」で体内に蓄積されたAGEs(最終糖化生成物)の量が減ることはないようですが、自分の現状を知ることで、意識を変え自分の未来を変えることはできます。日常の小さな取り組みがこれからの健康寿命の延伸へと繋がっていくのだと思います。

健康寿命を延伸し、できる限り人の世話にはならず、自立して楽しく生きがいのある人生を目指しましょう。



ヴィンテージ・ヴィラの生涯自立。

ヴィンテージ・ヴィラでは、今回のシンポジウムでご講演いただいた3名を含む様々な分野の専門家の方々の協力により、「食事」「運動」「生きがい」によるご入居者の健康寿命延伸に取り組んでいます。

ご興味がございましたら、是非一度ご見学にいらしてください。



見学会は随時、参加費無料で行っております。

お気軽にフリーコールよりお問い合わせください!



この記事を書いた人

高木(高齢者事業部 運営課)

皆さまのお役に立つセミナー情報や、ヴィンテージ・ヴィラで行っている様々なイベントを通じて入居者様の生きいきした姿をお伝えしてまいります!

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