2021.04.07
味がしない!高齢者に味覚障害が起こる原因や対策を知ろう
こんにちは!
神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部の高木です。
高齢者になってから、濃い味の食事を好むようになる方がいます。
その理由として、加齢によって味がしなくなる「味覚障害」を起こしている可能性が挙げられます。
味を感じづらいので味付けを濃くしてしまうのですが、濃い味付けが続くと塩分や糖分の摂りすぎで健康状態に影響が出てしまうことも!
今回は、高齢者の味覚障害についてのお話です。
味がしなくなる理由やその影響、味がしないと感じたら試してほしい改善策などをご紹介します。
味がしない!? 高齢者に起こりやすい味覚障害とその原因
「同じように料理しているのに、最近やけにお味噌汁が薄く感じる......」それは味覚障害かも!?
味覚障害とは、味の感じ方に何らかの異常が起こることです。
味がしない、味が薄く感じる、何も食べてないのに口の中に味がする、特定の味だけ感じられないなど、その症状はさまざまです。
高齢者が味覚障害を起こす大きな原因は、加齢による身体機能の低下です。
口腔内や舌には「味蕾(みらい)」という味を感じる組織がありますが、これは加齢によって徐々に減少していきます。
そのため、高齢者は新生児と比べて3~5割ほど味蕾(みらい)が少ないといわれています。
加齢によって唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥していることも味蕾(みらい)の働きをさらに低下させ、味がしなくなる原因のひとつとなっているのです。
また、味蕾(みらい)が正しく働くためには亜鉛という栄養素が必要ですが、体内の亜鉛の減少も味覚障害に影響しています。
腎機能が低下する糖尿病や腎臓病で亜鉛を体外に排出してしまったり、薬の副作用で亜鉛の働きが低下してしまったりするケースもあります。
あまりに味がしないようであれば、一度かかりつけ医に相談してみましょう。
高齢者が「料理に味がしない」と感じたら、どう改善する?
味がしないと食事を楽しめずに栄養不足になったり、味付けを濃くしてしまい生活習慣病につながる危険性もあります。
味覚障害に気づいたらこんな対策をとって、味を感じるためのサポートをしましょう。
口内の乾燥を防ぐ
うがいをこまめに行ったり、水分補給を意識して、口の中の乾燥を改善する方法も効果があります。
唾液の分泌が減った分を水分で補い、味蕾(みらい)の働きを助けて味を感じやすくします。
亜鉛を補う
味蕾(みらい)の働きや生成を助ける栄養素、亜鉛を積極的に摂取しましょう。
牛肉や豚肉の赤身、チーズ、大豆、納豆、シジミ、ゴマ、ナッツなどに多く含まれています。
食事で補うのが難しい方はサプリメントでも良いでしょう。
持病や服薬のある方は医師に相談してくださいね。
歯ブラシで舌を磨く
舌が白い苔で覆われていることはありませんか?
それは舌苔(ぜったい)と呼ばれるのもので、舌苔があると味が感じないことがあります。
歯磨きの際に歯ブラシで舌も磨き、舌苔(ぜったい)を取り除きましょう。
味がしないと気づいたときに高齢者が気をつけること
加齢による高齢者の味覚障害では、特に「塩味」「甘味」の味覚低下がよく起こります。
しょっぱさや甘さを感じにくくなるので、料理に塩や醤油、砂糖をいつも以上に加え、味付けが濃くなってしまいます。
その結果、塩分や糖分の過剰摂取が続き、高血圧や糖尿病といった病気になってしまうことも。
味がしないと食欲がわきづらく、食事の量が減れば栄養不足で体力の低下にもつながりかねません。
味を濃くしなくても、美味しく楽しく食事ができる工夫を考えてみましょう。
こんなアイデアがありますよ。
・出汁を利かせてうまみ成分をプラス
・酢やレモンの酸味を加え、唾液の分泌を促す
・香辛料や香味野菜で香りづけをして食欲を刺激する
・汁物や水分を含んだ煮物などで口の中の水分を補う
・身体を動かしてお腹を空かせる
唾液の分泌を促す工夫や献立などを考えてみると良いですね。
家族や友人と楽しく食事をすることも、食欲を増進させる工夫のひとつです。
まとめ
●高齢者の味覚障害の多くは加齢による身体機能の低下が原因。
加齢によって、味を感じる組織「味蕾(みらい)」や口腔内の唾液量が減ることで味がしなくなってしまいます。
味蕾(みらい)の生成を助ける亜鉛が病気や服薬によって減少しているというケースもあります。
●味がしないと感じたら、こまめにうがいをして口の中の水分を補ってあげましょう。
積極的な亜鉛の摂取や、舌みがきをして口腔内を清潔に保つことも大切です。
●味がしないと味付けを濃くして塩分や糖分を摂りすぎてしまいます。
出汁を利かせる、酸味や香りをプラスして唾液の分泌を促す、適度な運動をしてお腹を空かせるなど、味付けを濃くしなくても、美味しく楽しく食事ができる工夫を考えてみましょう。
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