2019.09.18
高齢者の皮膚が乾燥するのはなぜ?対策を知ってスキンケア!
こんにちは!
神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部の髙橋です。
高齢者の皮膚は乾燥しがちです。
乾燥肌はガサガサ・チクチクして不快なだけではなく、さまざまな肌トラブルの元にもなってしまいます。
高齢者の皮膚が乾燥する原因や対策を知って乾燥肌の予防をしましょう!
高齢者の皮膚が乾燥しやすい原因とは?
高齢者の皮膚が乾燥しやすい大きな原因は、加齢によって汗や皮脂の分泌が減ることにあります。
肌表面から分泌される汗や皮脂は、紫外線などの外部刺激から肌を保護し水分の蒸発を抑えるといったバリア機能の役割もしています。
汗や水分の分泌が減るとそのバリア機能も低下してしまいます。
バリア機能が低下した肌は、乾燥しやすく外部からの刺激で角質層がはがれやすい状態です。
そのため、医療器具を固定するテープや絆創膏をはがす際の刺激でも角質層がはがれて、乾燥肌につながることもあります。
さらに病気やストレス、生活リズムの乱れによる免疫力の低下や、紫外線や温度・湿度の変化、摩擦などの刺激も乾燥肌を引き起こします。
皮膚の乾燥を防ぐために!高齢者ができるスキンケア
乾燥肌は悪化するとかゆみや湿疹、細菌感染などの肌トラブルにもつながってしまいます。
高齢者の皮膚の乾燥を防ぐためには「刺激を避けること」と「保湿」が大切!
効果的なスキンケア方法をご紹介します。
入浴方法や体を洗う際に気を付けること
あまり熱いお風呂や長い入浴は、乾燥の元なので避けるようにしましょう。
体を洗う際も石鹸やボディーソープで何度も洗ったり、ナイロンタオルでゴシゴシこすったりするのは、必要な皮脂まで落とし角質層を傷つけてしまいます。
体を洗う際には良く泡立てた石鹸とぬるま湯で優しく洗い、水気を拭き取る際もゴシゴシこすらずタオルで優しく押さえます。
石鹸やボディーソープは刺激の少ない弱酸性のものがおすすめです。
保湿はこまめにたっぷりと
入浴後は時間が経つと肌がどんどん乾燥してしまうので、できるだけすぐに保湿をしましょう。
多めの保湿剤を肌の上の複数個所に分けてのせ、手のひらを使ってシワに沿って優しく塗り広げます。
保湿剤の量が少ないと必要な効果が得られませんので、たっぷり塗ってくださいね。
クリームなら人差し指第1関節分、ローションなら1円玉くらいの量を1点として、顔や首は2.5点、腕は3点、足は6点、背中やお腹は7点ほどに分けて塗り拡げるのが目安です。
保湿剤を塗る際も、ゴシゴシとこすらないよう優しく塗りましょう。
衣類やタオル、シーツなどは刺激の少ないものを選ぶ
ナイロンやポリエステルといった化学繊維は、乾燥肌の状態にはチクチクとした刺激を与えてしまう可能性があります。
肌着やタオル、シーツなど肌に触れるものには木綿やシルクなどの天然素材のものを選ぶようにしましょう。
こまめに洗濯をして清潔なものを使用することも大切な点です。
こまめな水分補給で体の中からスキンケア
体の水分不足・脱水状態も皮膚乾燥の原因となります。
室内の湿度を適切に保ち、こまめに水分補給をするようにしましょう。
高齢者は湿度の高い季節でも脱水状態になる可能性があります。
喉が渇いたら水を飲むのではなく、1日の中で時間を決めて定期的に水分を摂る様にしましょう。
高齢者に多い、皮膚の乾燥からくる「老人性乾皮症(かんぴしょう)」とは?
高齢者によくみられる「老人性乾皮症(かんぴしょう)」とは、加齢を元とする原因から皮膚が乾燥した状態になることです。
かゆみが生じ、皮膚に亀裂が入ったり白い鱗屑(りんせつ:肌の角質層が剥がれ落ちたもの)がパラパラと落ちたりします。
加齢により汗や皮脂の分泌が減り、肌のバリア機能が低下することが主な原因です。
老人性乾皮症では紫外線や外部刺激などによって湿疹になりやすくなります。
空気が乾燥している冬に、背中やひざ下に起こることが多いです。
かゆみがひどいと湿疹になってしまい、治るまでに時間がかかってしまいます。老人性乾皮症を予防するには保湿剤をこまめに塗って肌を保護してあげることが大切です。
悪化し湿疹になってしまった場合には、ステロイドなどの外用薬やかゆみを止めるための内服薬などでの治療が必要となることもあります。
まとめ
①高齢者の皮膚乾燥の主な原因
・加齢により肌のバリア機能が衰え、外部刺激で角質層がはがれやすくなる。
・病気やストレスなどによる免疫力の低下。
・温度変化、摩擦や刺激によって皮膚の乾燥が進行することも。
②肌トラブルを防止するために
・体を洗う際や肌に触れる肌着やシーツによる刺激に気を付ける。
・保湿剤をたっぷり塗ってスキンケアを行う。
・こまめな水分補給で脱水状態を防ぐ。
③日頃のケアが大切
・肌のバリア機能が衰えると「老人性乾皮症」を引き起こす可能性も。
・角質層が剥がれ落ちたり、悪化すると湿疹に。
・悪化してしまった場合はステロイドなどによる治療が必要になることもある。
・保湿剤などでスキンケアをして、日頃から予防に努めましょう。
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