2019.02.15
高齢者に多い睡眠障害とは?原因を知って快眠しよう!
こんにちは!
神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部の髙橋です。
「高齢になり、朝起きるのが早くなった」
「睡眠が浅くなり、良く眠れない」
「つい昼間にウトウトして眠ってしまう」
など、睡眠のことで悩んでいないでしょうか?
今回は高齢者の睡眠障害とその原因、改善対策から快眠方法までお話します。
ぐっすり快眠するために、ぜひ参考にしてくださいね!
なぜ高齢者は睡眠の悩みが多いの?
高齢になるにつれて睡眠に関して悩む人が増えていきます。加齢による体調や眠りの質の変化が大きな原因といえるでしょう。
高齢者の睡眠トラブルには、中途覚醒、早朝覚醒、夜間頻尿、昼間の眠気などがあります。わかりやすく、大きく分けて2つ原因を解説していきます。
(1)睡眠リズムの変化
「朝早く目が覚める」という高齢になると多く聞かれる悩み。これは、体内リズムによる睡眠の変化が原因です。
私たちの体内では体温や代謝、ホルモン分泌などさまざまな機能が一定のリズムで調整を行っています。
しかし、この生態調整リズムは年を重ねるにつれ少しずつ前倒しになっていくため、加齢により眠りの変化が起きてしまいます。
体内リズムの変化が要因なので、無理に眠りのリズムを変える必要はありません。
「眠くなったら寝て、目覚めれば活動を開始する」というように、変化した眠りに生活を合わせることをおすすめします。
(2)眠りの質の変化
「なかなか寝付けない」「トイレなどで夜中に何度も目が覚める」という悩みもよく聞きます。
眠りが浅いので、尿意などちょっとしたことで目が覚めてしまう状態です。
十分な睡眠が得られないことで体力・気力の回復が足りず、昼間の動きが悪くなるなどの影響もあります。
これは加齢によって運動量が落ちて代謝が悪くなり、睡眠の質を保つホルモン「メラトニン」が十分に分泌されないことが原因と言われています。
このほか、高齢に伴う慢性的な身体の痛み、病気や体調不良などが睡眠トラブルにつながっている場合もあります。
高齢者の睡眠トラブルは生活習慣の改善が大事!
快適な睡眠は心と身体の健康の元。
加齢がもともとの原因であるとしても、どうにか睡眠トラブルを解消して快眠を手に入れたいですよね。
快眠に導くためのキーワードとなる3つの方法、「生活習慣改善」「ストレス解消」「正しい薬の選び方」をご紹介します。
①生活習慣の改善
・日光を浴びる時間に注意
早くに朝日を浴びてしまうとその分「早く眠くなる」ホルモンが分泌され、「早い時間に眠り、早すぎる時間に目がさめる」というリズムができてしまいます。
眠りを誘発するメラトニンは、朝日を浴びてから約15時間後に分泌が増えます。
眠りたい時間の15時間前を目安に日光を浴びることで、ちょうどよい睡眠リズムが作られていくのでおすすめです。
・運動量を増やす
日中の運動量が減ると代謝も減り、眠りが浅くなる原因に。
日中の活動時間を増やすことで適度な疲労感が得られ、夜の入眠がスムーズになります。
また、昼寝をとりすぎることは禁物。夕方以降の居眠りは夜間睡眠の質を悪くするので、昼寝をとる場合は昼食後~15時の間で30分程度にすると良いですね。
・リラックスして就寝する
リラックスして眠りに入ることで眠りの質を高めることができます。
就寝前は照明を暗くし、テレビやパソコンなどの使用を控えましょう。
テレビやパソコンの画面の光はメラトニンの分泌を抑えるうえ、脳が興奮状態になって眠気を感じにくくなってしまいます。
また、カフェインを含むコーヒーなどを飲むのは就寝の4時間前までにし、ストレッチやマッサージなどを行うのもおすすめです。
②ストレス解消
高齢になると退職や家族の死別、一人暮らしによる孤独感など、精神的なストレスが増すと言われています。
こうしたストレスも睡眠トラブルに影響してきます。
ストレスを解消するには適度な運動を習慣づける、栄養バランスのとれた食事をとる、地域コミュニティへの参加などで発散することがおすすめです。
また、睡眠トラブル自体がストレスになってしまうこともあります。
「早く眠らなければいけない」「8時間睡眠をとらなければいけない」という焦り、眠たくないのに布団に入る、という行為もストレスへとつながります。
体力が落ちる高齢者は、ストレスに対して若い頃より身体の耐性が低下しています。
睡眠トラブルを重要視せず、「今日は眠らなくてもいい」というぐらいの心構えも大事。
その時間を有効活用するなど気晴らしをすることが、結果的に睡眠の質を上げることに繋がるかもしれません。
③正しい薬の選び方
さまざまな努力をしても満足する睡眠が得られず、日常生活に影響を及ぼすようであれば、薬の使用も対策のひとつ。
近年、睡眠障害のために使用されている薬は副作用も少なくなり、安全に使用できるようになっています。
効果としては、
・入眠を促す効果や鎮静作用
・リラクゼーション
などがあります。
効果の度合いや作用は薬によって異なりますので、必ずかかりつけの医師に相談してから服用するようにしましょう。
高齢者の快適な睡眠のためにできることは?
不眠についての改善策をご紹介しましたが、より質の良い睡眠にするためにはどのような心掛けが必要でしょうか?
高齢者が「快眠」といえるような眠りにするために、自分でできることについてお話します。
最初の睡眠を質の良い睡眠に
疲労回復を促す働きがあるホルモンは深い眠りの中で生成されます。
質の良い睡眠を取ることに繋がるため、就寝前にリラックスをして、最初に深い眠りに入ることが大事です。
前段でも触れましたが、そのためには睡眠時刻の15時間前に日光を浴び、眠りを誘発するメラトニンを分泌させることが大切になります。
成長ホルモンは睡眠だけでなくアンチエイジング効果にも影響があり、生き生きと過ごすことへも繋がります。
睡眠時間を考えて入浴する
深部体温が上昇して下がるときに入眠しやすくなります。
入浴をすることで深部体温は一度上がるといわれており、シャワーだけでなくお風呂で温まることが大事です。
体温は90分かけて徐々に下降して最も入眠しやすいタイミングになるため、時間を逆算して入浴するといいですね。
ゆっくり入浴することでもリラックス効果があり、心地よい眠りへとつながります。
起床時間と就寝時間を一定に保つ
規則正しい睡眠を心がけることは体内リズムの安定化にもつながり、結果的に睡眠の質向上にも結び付きます。
就寝時間や起床時間がバラバラだったり、時間があるときに寝だめをしたり、といったことは睡眠のリズムを崩してしまうので避けたいところ。
ただし寝る時間を無理に守ろうとするとストレスになりがちなので、起きる時間を最初に決めて一定にすることから始めてみましょう。
適度な運動をする
適度な運動は快眠に必要な疲労感を得て、代謝も良くなり深い睡眠へと導いてくれます。ウォーキングやストレッチは手軽に始められるのでおすすめです。
膝に負担がかかり歩くのが難しいという方は、スイミングやサイクリングなどはいかがでしょうか。
睡眠は高齢者の健康状態に大きく関わってきます。
毎日の生活習慣を整え、質の良い眠りを心がけることで睡眠トラブルを改善していきましょう。
まとめ
・高齢者の3人に1人は悩んでいるといわれている睡眠障害の症状には、中途覚醒、早朝覚醒、夜間頻尿、昼間の眠気などがあります。主な原因は、加齢に伴う睡眠リズムの変化と眠りの質の低下によるものです。
・睡眠トラブルの解消法として、「生活習慣改善」「ストレス解消」「正しい薬の使用」が挙げられます。日光を浴びる時間は就寝の15時間前を意識し、日中の活動量を増やしましょう。就寝前のリラックスを心がけることも大事。ストレスの解消や薬を使う方法もあります。
・「最初の睡眠を質の良い睡眠にする」「睡眠時間を考えて入浴する」「起床時間と就寝時間を一定に保つ」「適度な運動をする」ことが質の良い眠りにつながります。毎日の生活習慣を整えて睡眠トラブルを改善していきましょう。
様々な原因から起こる睡眠障害ですが、加齢による生理現象は仕方がありません。
上手に付き合っていくことで緩和することができますので、できそうなことから少しずつ取り入れてみてくださいね。
公社の介護付有料老人ホーム「ヴィンテージ・ヴィラ」では、「生涯自立」(食事・入浴・排泄に介助を必要としない状態であること)に力を入れており、館内にて専属トレーナーによる運動プログラムを実施していますので適度な運動を生活の中に取り入れることができます。
さらに、ダイニングでの食事をご利用いただければ、規則正しい食習慣を保つことができ、生活のリズムを整えやすくなります。
また、不眠に関する悩みがある場合でもホームドクターやケアスタッフに気軽にご相談いただけます。
ご入居は入居時自立が条件ですが、入居後万が一、介護が必要になった場合でも、ヴィンテージ・ヴィラにて介護サービスを行います。
さらに介護度が重くなった場合には介護専用型のトレクォーレにて、より手厚い介護サービス体制を整えています。
その間、ヴィンテージ・ヴィラでもトレクォーレでも、要介護度に応じた最適な介護サービスが受けられます。
お問い合わせは下記までお気軽にどうぞ!
神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部 0120-428-660(フリーコール)
[受付時間:平日9時~17時]