2019.10.30
高齢者の寒さ対策を伝授!注意点や健康に過ごすポイント
こんにちは!
神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部の髙橋です。
寒い季節は体の冷えが心配になりますよね。
高齢者は体温調節機能が衰え、体が冷えやすく、色々なリスクが生まれてしまいます。
今回は高齢者の寒さ対策についてのお話です。
体が冷えることによって起こりうるリスクやその原因、寒さ対策などをご紹介します。
寒さで高齢者に起こりうる危険性や予防対策は?
高齢者は体温調節機能が衰え、寒い時期には体が冷えてしまいがちです。
体が冷えてしまうと様々なリスクが生じやすくなる恐れがあります。
原因と対策をご紹介します。
低体温症になる
低体温症とは、体全体が冷え、体温が35.0°C以下になっている状態をいいます。
低体温状態が続くと体の震えが始まり、進行すると体を動かしづらくなったり意識を失ってしまうこともあります。
また、低体温症は肺・心臓・肝臓・腎臓などの機能低下を引き起こし、免疫力低下にもつながってしまいます。
【予防対策】
低体温症は緩やかに進行するため、気付きにくく発見が遅れる危険性があります。周りの方が様子に気付くことも大切です。
常に室温を20度以上に保てるよう温度調節に気を配り、暖かい下着や羽織物を身に着けて、体温が下がりすぎないように気を付けましょう。
高齢者の低体温症の危険性と注意点については、こちらでも詳しくご紹介しています。
ヒートショックによる心筋梗塞や脳卒中
冬は、一年の中で最も高齢者のトイレやお風呂での事故が増える季節です。
「ヒートショック」と言われる、暖かい室内と寒い場所との温度の急激な変化による体へのストレスが起こりやすくなるためです。
人間は暖かいと血管が拡張して血圧は下がり、寒いと血管が収縮して血圧が上がります。
たとえば、夜中に暖かい布団から寒いトイレへ行く、温かいリビングから寒い脱衣場で服を脱いで熱い風呂に入るなど、温度変化によって血圧が急激に乱高下することで失神、脳梗塞、心筋梗塞や不整脈などが起こるのです。
また狭いトイレやお風呂場で起こると、転倒や湯船で溺れてしまう危険もあります。
【予防対策】
トイレや脱衣場など寒くなりやすい場所を、暖かく保つことで防ぐことができます。
ポータブルストーブを設置し、お風呂に入る少し前から脱衣場を温めておきましょう。
窓がある場合は2重窓にすると熱が逃げにくく、室温が下がりづらくなります。
感染症にかかりやすくなる
体が冷え、体温が下がると免疫力は低下します。
もともと加齢に伴い、免疫力が低下している高齢者は、冷えによる免疫力低下で感染症にかかるリスクがさらに上がってしまいます。
特に冬はインフルエンザやノロウィルスなどの感染症が流行する時期です。暖房器具などで空気が乾燥し、ウィルスの活動も活発化しています。
高齢者は感染症にかかると重症化しやすく、命の危険もあるため注意が必要です。
【予防対策】
流行時期前にワクチン接種をするなどの対策を行っておきましょう。
外出時はマスクをしてできるだけ人混みは避け、帰宅後にはしっかりうがい手洗いをするようにしましょう。
ノロウィルスはカキなど、貝を食べたことにより感染する事もあります。カキやアサリなどの二枚貝を食べるときはしっかり加熱してから食べるようにしましょう。
脱水症状を起こす
実は意外と思われるかもしれませんが、寒い時期にも脱水症状は起こります。
寒く乾燥している時期は、吐く息や皮膚からの水分放出が多くなり、暖房器具の使用により室内の湿度が下がっているためです。
夏と違って汗をかきづらいため、寒い時期は脱水状態になっていることに気づきにくいのが危険ポイントです。
口の中が乾燥している、皮膚や唇がカサつく、頭がぼーっとする、手足が冷たいなどの状態があると軽度の脱水症状の印。
頭痛や吐き気、排尿が少ないなど、症状が進むと新たな症状も出てくるので、発症する前に予防対策をとりましょう。
【対策】
のどが渇く前に定期的な水分補給が大切です。
コップ一杯程度の水を、生活の中でこまめに飲むようにしましょう。
高齢者の脱水の危険と水分補給についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
高齢者の寒さ対策!冷え性を防ぐ方法とは
加齢と共に、高齢者は体温調節機能が衰えて周りの温度に影響を受けやすい状態となっています。
また、新陳代謝が下がっているため汗をかきにくく、血流量の調整を行いにくくなっていることも多いです。
高齢者は、体温調節機能に頼らず冷えを防ぐ工夫として、このような寒さ対策を行いましょう。
暖かい下着や洋服の重ね着
体を暖めるために、吸水性の良い素材の衣服を重ね着しましょう。
ただし、体を締め付けるほど着込むのは良くありません。
上に重ねるよりも、温かい下着を身につけた方が暖まりやすく動きやすいです。
厚手の靴下や手袋など体の先を温めてあげるのもポイントです。
カイロなどでお腹をあたためる
冷えた手先や足先を温めるのも大切ですが、へその下あたりのお腹もカイロや湯たんぽなどで温めましょう。
ブランケット等を使用することも効果的です。お腹を温めることで温まった血液が体中に巡り、体中を温めることができます。
体が温まる食べ物をとる
体を温める大根、人参、ゴボウなどの根菜類を積極的に食べましょう。
夏野菜は体を冷やすと言われているので、寒い時期には控えた方が良いでしょう。
朝起きたときにコップ1杯の白湯を飲むのも、水分補給と内臓の保温が同時にできるのでおすすめです。
適度な温度で湯船に浸かる
入浴で芯から温め、血行を良くするのも大事。
30~40度の湯船にゆっくり入ると副交感神経が優位になり、血液循環がよくなって効果大です。
まとめ
・高齢者は体温調節機能が衰えているので寒い季節に体が冷えてしまいがちです。体が冷えると免疫が下がって感染症リスクが増え、血圧の乱高下でヒートショックが起こりやすいです。また、低体温症や脱水症状を引き起こす恐れもあります。
室温の調整や重ね着、カイロや入浴などで体を温め、冷えを防ぐようにしましょう。根菜類や白湯など体を温める食べ物もおすすめです。
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体温調節は健康であるために欠かせません。
今回紹介した体温に関するポイントを押さえ、体に生じる変化に気づき予防していきましょう!