2020.03.18
高齢者の低血圧で注意することは?原因や種類、予防策を知ろう
こんにちは!
神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部の高木です。
高齢者がなりやすい体の不調の原因のひとつに「低血圧」があります。
今回は高齢者の低血圧について解説します。
低血圧は思わぬ怪我や体調不良につながったり、重大な病気が隠れていたりする可能性もあります!
高齢者に多い低血圧の原因や予防、対処するための方法などをご紹介します。
高齢者の低血圧は危険?気を付けた方がいい場合とは
低血圧とは、心臓から体の各部位へ運ばれる血液が血管に加えた圧力が低い状態のことです。
世界保健機構(WHO)では、「収縮期圧力100(mmHg)、拡張期圧力60(mmHg)以下」を低血圧の基準としています。
主だった原因がなく体質的に低血圧であるという方もいますが、高齢者に多いのは一時的に血圧が下がり、突然めまいや立ちくらみが起こるというもの。
血圧が低いと全身への血液の供給が十分になされず、いわゆる血行不良の状態になってしまいます。
めまいから失神、転倒をして頭を打つ、骨折をしてしまうという恐れもあります。
血圧が急激に下がるとショック状態となり、命の危険もあるのです。
胃潰瘍や糖尿病、動脈硬化などの病気が隠れている可能性もあるので、「たかが低血圧」と放置しているのは危険です。
このような一時的な低血圧は、普段高血圧と診断されている方にも起こり得ます。
高齢者の高血圧についてはこちらでも詳しくご紹介していますので、ぜひご参考にしてくださいね。
高齢者の低血圧、原因は何が多い?
高齢者の低血圧に多いのは、何らかの理由で一時的に血圧が下がる「一過性低血圧」です。
高齢者の3人に1人に一過性低血圧の症状が認められると言われています。
高齢者でよくみられる原因は下記の3つです。
起立性低血圧
座った状態や寝た状態から立ち上がった時に、めまいが生じるものです。
加齢により心臓機能や血圧調整機能が低下し、血管の収縮を適切にコントロールできないことから起こります。
血圧を下げる降圧剤の影響から起こる場合もあります。
食事性低血圧
食後30分から1時間後頃に血圧が下がってしまう症状です。
摂取した食事を消化吸収するために胃や腸などに血液が集まり、その分脳への血流が不足することから起こります。
通常は自律神経にて体中の血液循環を調節するのですが、高齢者はこの調節機能が衰えてしまい食後に低血圧となってしまうのです。
普段高血圧と診断されている方にも多く起こると言われています。
薬剤性低血圧
高血圧に対して処方される降圧剤のほか、抗うつ剤の影響で低血圧を引き起こしてしまう場合があります。
その他にも胃潰瘍などで出血がある、神経疾患で自律神経の働きが阻害される、重度の糖尿病で血管や血圧調整機能が阻害されるなど、病気を原因として低血圧を引き起こす場合もあります。
高齢者の低血圧を予防するための対策とは?
高齢者の低血圧を予防するために、普段から気をつけるべきことをご紹介します。
規則正しい生活と適度な運動で自律神経を整える
ウォーキングやストレッチなどの適度な運動は、筋力や心肺機能を鍛えるとともに、自律神経の乱れも整える効果があります。
十分な睡眠で疲労を回復し、規則正しい健康的な生活を送ることも大切です。
動作はゆっくりと。急に立ち上がらない
睡眠時は頭部をやや高くし、立ち上がる前には足を動かして血の巡りを良くしてから立ち上がるようにしましょう。
座っている時は定期的に足を組み替えるなど、同じ姿勢がずっと続かないようにするとよいでしょう。
一度に食べる食事の量を減らす
食事性低血圧を予防するには、一度に食べる量を減らし食事の回数を増やすと良いです。
また、食後に濃い緑茶やコーヒーを飲んでカフェインを摂ると交感神経を刺激して血流改善につながります。
塩分も血圧を上昇させますので、味噌汁を少し濃い目の味付けにするのも有効でしょう。
高齢者は一時的に血圧の下がる一過性低血圧になりやすいです。
血行不良による体調不良や、めまいや立ちくらみから失神、転倒をして頭を打ったり骨折したりする恐れも。
そのためにも、毎日の生活で気を付ける必要があります。
まとめ
・高齢者の低血圧でよくみられるのは血管の収縮をコントロールできず、立ち上がった時にめまいや立ちくらみが起こる起立性低血圧、食後に消化吸収のため胃腸へ血流が集中してしまう食事性低血圧などです。どちらも加齢によって血圧調整機能や自律神経機能が衰えてくることから起こります。降圧剤や抗うつ剤など薬の影響、胃潰瘍や糖尿病など病気を原因として低血圧になってしまう場合もあります。
・高齢者の低血圧を防ぐには規則正しい生活と適度な運動で心肺機能を鍛えたり自律神経を整えたりすることが有効です。また、ベッドや椅子から急に立ち上がらない、一度に食べる量を減らして食事の回数を増やすようにする、食後にお茶やコーヒーでカフェインを摂るようにするのも一過性低血圧防止に効果が期待できます。
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