2019.06.26
高齢者の転倒はこんなに危険!予防対策を事前に知ろう
こんにちは!
神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部の髙橋です。
高齢者が寝たきりになってしまう大きな原因のひとつは転倒です。
筋力やバランス感覚が衰えて転倒しやすく、さらにその転倒が寝たきり状態を引き起こすことがあります。
今回は高齢者の転倒による危険性や転倒しやすい場所、転倒を防ぐための対策や注意点などについてお話します。
高齢者の転倒による危険性とは?
加齢と共に、人は筋力やバランス感覚が衰えていきます。ちょっとした動作や段差でふらついて転倒してしまうことが多くなります。
反射神経も鈍ってしまうので、転倒した際にとっさに手をつくことができずに頭を打ってしまうこともあります。
また、骨がもろくなっていることもあるため、とっさについたとしても手を骨折してしまうなど大怪我に繋がりやすくなっています。
平成30年版高齢社会白書によると、高齢者が「要介護」となる原因は脳卒中、認知症、高齢による衰弱に次いで「骨折・転倒」が第4位となっています。
特に転倒による大腿骨(ふともも)の骨折をきっかけに、寝たきりとなってしまう方が多いです。大腿骨骨折の患者は年間15万人以上いると推定されており、決して珍しいケガではありません。
また、転倒やケガを恐れるあまり引きこもりがちになってしまうケースもあります。
引きこもって体を動かさずにいると、身体機能や筋力が低下してさらに体を動かしづらくなるほか、認知症を発症する原因にもなり得ます。
高齢者が転倒しやすい、注意すべき場所は?
高齢者の場合、足を上げているつもりでも筋力の低下によって、きちんと足が上がっていないことも多く、すり足の状態で歩く方が多くいます。
そのためちょっとした段差でつまずいてしまいます。
例えば屋外だと、石畳やアスファルトのつなぎ目、街路樹の根元などの段差がある場所はつまずきやすいと言えます。
しかし実は、屋外よりも家の中の方が転倒事故は多く起こっています。
室内での転倒原因は下記のようなものが多いです。
・カーペットのフチや敷居、階段や玄関などの段差につまずく
・電気コードに足を引っかける
・フローリングやお風呂場などで滑る
階段や玄関など段差が多い場所や、お風呂などの滑る場所で転倒するのはすぐに想像できますが、屋内では意外にもリビングでの転倒事故が一番多いのです。
カーペットのフチや、布団など本当にちょっとした段差でもつまずいて転倒してしまうことがあるので注意しましょう。
日中は大丈夫でも、夜で照明が暗い状態だと視力も落ちているので、階段の踏み外しなども注意が必要です。
「転びにくい環境」「転びにくい体」へ!高齢者の転倒予防は大事
高齢者の転倒は大きく生活を変えてしまう可能性が高いです。
予防のために、日常から「転びにくい環境」と「転びにくい体」を作りましょう。
室内環境を整えて「転びにくい環境作り」
室内の段差をなくしたり手すりを付けて住まいをリフォームしたり、基本的な環境整備を行いましょう。
センサー付きの照明をつけて移動の際は必ず部屋や廊下が明るくなるようにする、ベッドや椅子の高さを低めにするのも効果的です。
つまずくものがないように部屋を整理整頓し、滑りにくい靴下や靴を選ぶようにしましょう。
日頃の運動や生活習慣で「転びにくい体作り」
転びにくい体を伴っていないと、何もなくとも転んでしまう場合もあります。
体を支える筋力とバランス感覚の低下が高齢者の転倒原因のひとつ。
適切な運動やストレッチを行い、筋力やバランス感覚を鍛えて転びにくい体を作りましょう。
また、積極的に家事で細かな動きをするよう意識し、日常生活でも体を動かすよう習慣づけるだけでも筋力のプラスになりますよ!
【高齢者の転倒防止におすすめの筋力とバランス感覚のトレーニング】
・片足立ち
自然な体勢で立ち、片足を上げてそのまま1分間姿勢を保ちます。
左右交互に行いましょう。
慣れないうちは壁やいすにつかまりながら行って構いません。
万が一よろけたときに転倒してしまわないように、壁際などで行いましょう。
・タオル引き寄せ
床にタオルを広げ、足の指の曲げ伸ばしでタオルをつかんで自分の方へたぐり寄せます。
慣れてきたらタオルの上にペットボトルなど重しを置いて負荷をかけてみましょう。
高齢者の筋力トレーニングやストレッチについては、こちらでも詳しくご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
まとめ
・高齢者は筋力や身体機能が低下し、ちょっとした段差でもつまずいて転倒しやすくなっています。転倒時にとっさに手が出なかったり、骨がもろくなっていたりするため、若い人と比べて骨折など大きなケガにつながりやすいです。骨折をきっかけに寝たきりや引きこもりがちになってしまう高齢者もいます。
・すり足で歩くことが多い高齢者は、段差のある場所でつまずいて転びやすくなっています。意外なことに転倒事故は屋外よりも屋内で起こることの方が多く、カーペットのフチや電気コードに足を引っかけたり、フローリングや風呂で滑って転んでしまったりすることも多いです。
・介護リフォームで段差をなくしたり手すりを付けたり、ベッドやいすの高さを低めにする、照明を整える、家の中を整理整頓するなど転びづらい環境を整え、日々の運動やストレッチで筋力と柔軟性、バランス感覚を付けて転びにくい体を作りましょう。
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また、ヴィンテージ・ヴィラには筋トレ器具も置いてあるため、ご自身の都合や状態に合わせていつでも自主的にトレーニングを行なうこともできます。(※アクティビティプログラム時を除く)
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