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2019.08.28

高齢者の体重減少での影響は!?危険性や対策を知ろう

こんにちは!
神奈川県住宅供給公社 高齢者事業部の髙橋です。


年齢を重ねると自然と体重が減少することが多いですが、極端な体重の減少は病気が隠れている場合や、危険な状態につながってしまうこともあるので注意が必要です!


今回は高齢者の体重減少の原因や危険性、危険な体重減少を防ぐ対策などをご紹介します。

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高齢者の体重減少はなぜ起こる?どう判断?

高齢者は加齢に伴い脂肪や筋肉量が減少し、普通に生活しているだけでも少しずつ体重が減っていくことが多いです。

しかし、極端な体重減少は危険なサインです。


BMI値(体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))が18.4以下になっている方は体重不足、栄養不良状態です

また、食事制限や過度の運動などをしているわけでもないのに、6ヵ月で5%以上の体重減少がある場合は、病的な原因が隠れている場合があるので注意が必要です!


高齢者の体重減少の原因は下記のようなものが挙げられます。



食事量が減ったことによるもの

高齢者は筋肉量減少による代謝低下や運動不足からお腹があまり減らなくなり、食欲が低下しがちです。

また、入れ歯が合わない・口内炎がある・加齢による嚥下(えんげ)障害などが原因で、食べ物を噛んだり飲み込んだりする機能が衰えて食事量が減ってしまい、体重減少へつながる場合もあります。




孤独や孤立、ストレスなどによるもの

社会との関わりや人づきあいが減ったことで食欲がわかない、寂しさからストレスがかかり体重が減ってしまう場合もあります。




病気によるもの

高齢者の極端な体重減少につながる3大要因は、悪性腫瘍(がん)、消化器疾患、精神疾患と言われています。

悪性腫瘍(がん)では胃がん、大腸がん、肺がん、膵がんなど、消化器疾患では胃・十二指腸潰瘍、炎症性腸疾患、慢性膵炎など、精神疾患ではうつ病や認知症、アルコール依存症、摂食障害などが特に体重減少につながりやすいです。


その他にも慢性の疾患や炎症などを原因として体重減少が起こる場合があります。




薬の影響によるもの

慢性疾患の治療などで薬を常用される方も多いと思います。

抗うつ剤や抗生物質、痛み止めなどには体重減少の副作用があるものもあります。



上記の体重減少の判断を目安に、気になるようなら原因を探るためにも早めに医師へ相談しましょう。


次に高齢者の体重減少による危険性についてもお話していきます。




体重減少がもたらす高齢者への危険性とは

病的な体重減少は体がだるい、疲れやすいなどの症状を引き起こします。

高齢者の極端な体重減少では、こんな症状が表れやすいです。


・体力が低下して疲れやすくなる

・免疫力が低下して風邪や感染症にかかりやすくなる

・腹水(ふくすい)、浮腫(ふしゅ)などの低たんぱく血症を起こしやすくなる

・皮膚に傷ができやすく治りにくくなる

・筋肉量や筋力が衰えて運動機能が低下する

・骨密度が低下し、ちょっとしたことで骨折しやすくなる

・口や舌の筋力が衰えて嚥下障害を起こしやすくなる



高齢者が特に注意したい「フレイル」

高齢者は加齢とともに筋力が衰え、加えて社会とのつながりが希薄になることで心身の活力が低下していきます。

心身の活力が低下すると、少しずつ日常生活に支障をきたすようになり、歩けなくなったり寝たきりになったりしてしまう危険性があります。


寝たきりなどの要介護状態へ移行する可能性のある、心身が弱っている状態を「フレイル」と言います。


「フレイル」の状態かどうかは5つの判断基準があります。


・1年間で4.5kg以上の体重減少
・筋力や握力の低下
・疲労感の自覚
・歩く速度の低下
・活動量や活動レベルの低下(軽い運動や定期的な運動をしていない)


上記5つのうち1~2つ当てはまればフレイルの前段階、3項目以上当てはまればフレイルの状態と判断できます。


フレイルの状態になると、活動量が低下するためエネルギー消費量が減ります。

エネルギー消費量が減るとお腹が空かないので食事量が減り、体重や筋肉量が減少して活動量がさらに減る......という悪循環(フレイルサイクル)に陥ってしまいます。


フレイルの状態になってしまったら、自覚して適切な支援や対応を行うことが大事。

早めに判断できれば健康な状態に戻ることも可能です。

このような知識を頭に入れておけば、普段から意識して気づくことができるでしょう。




高齢者ができる体重減少への日々の対策

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高齢者の体重減少を防ぐためには、バランスの良い食事をしっかりとることが大切!

毎日の食事を見直して栄養バランス・量・回数などに気を配り、低栄養からの低体重を防ぎましょう。


高齢者はエネルギーとたんぱく質が特に重要な栄養素です。

エネルギーとなる糖質を含む炭水化物は基本としてしっかり摂り、たんぱく質は70歳以上の男性で60g、女性で50gを目安に摂りましょう。


たんぱく質は豚肉や魚、卵、大豆に多く含まれます。

さらに、プラスして下記のような栄養素を意識しながらメニューを構成するとより高い効果が期待できます。


・ビタミンD......いわし、にしん、鮭、乳製品など

・ミネラル......小魚や海藻類、緑黄色野菜など

・食物繊維......緑黄色野菜やゴボウ、セロリなど



高齢者の食欲低下に対しては下記のような工夫も効果的です。


・美しく盛り付けて見た目も美味しく工夫する

・柔らかく煮たりとろみをつけたりして飲み込みやすくする

・軽食を含め、一回の量を減らして回数を増やす

・運動や活動量を増やしてお腹を空かせる

・家族や友人と一緒に楽しく食べる

・旬の料理や行事食などメリハリのある食事を楽しむ



高齢者がバランスの良い食事をしっかりとるためのポイントは、以下の2つの記事でも詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。


高齢者の食事で気を付けることは?健康に楽しむために


高齢者はなぜ食欲不振に?食べる力をつけるには




まとめ

・高齢者は加齢に伴い筋肉や脂肪が減少し、普通に生活していても少しずつ体重は減りやすくなります。ただし極端な体重減少は危険なサイン。病気などが隠れている可能性があるので、気になる場合は早めに医師へ相談しましょう。


・半年で体重の5%以上の体重減少は病的な体重減少と言えます。高齢者の病的な体重減少に多い原因は、がん、消化器疾患、精神疾患などの病気や薬の副作用、孤立や孤独からのストレスなどが考えられます。


・高齢者の体重減少は体力や免疫力の低下から病気になりやすくなり、筋力低下から活動量低下を招きます。体重減少や活動量低下が起こっている状態を「フレイル」といい、やがて要介護状態になりかねない状態です。普段からフレイルへの予防意識を高め、1年間で4.5kg以上の体重減少・筋力や握力の低下・疲労感の自覚・歩行速度の低下・活動レベルの低下などの症状があれば早めに受診しましょう。


・低栄養からの低体重を防ぐために大切なのは、やはりバランスの良い食事をしっかり食べること!必要とする栄養素をしっかり摂れるメニューや、食事を美味しく楽しく食べられる工夫をして、低体重を防ぎましょう!



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この記事を書いた人

高橋(高齢者事業部 運営課)

入社3年目の高橋です!公社へ新卒入社してから2年があっという間に経ちました。介護・有料老人ホームに関する知識を「どこよりもわかりやすく!」をモットーにお伝えしていきます!

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